今や健康に悪いものとしてすっかり知られるようになったトランス脂肪酸。
日本でもスーパーやコンビニで売られているパンには、トランス脂肪酸が入っているのでは?と気になっている人も多いようですね。
しかし最近では、小さなパン屋さんから大手製パン会社まで、トランス脂肪酸をなるべく避けようという流れがあるようです。
トランス脂肪酸とは?良くないと言われるのは何故?
トランス脂肪酸は液体の油脂から固体の油脂を作るときに多くできてしまうもので、マーガリンやショートニング、業務用の揚げ油や、ホイップクリームなどのクリーム類に含まれます。
トランス脂肪酸をたくさんとると、悪玉コレステロールが増えて善玉コレステロールが減るといわれていますし、心臓病のリスクも高くなります。
肥満やアレルギーに関係しているという報告もあります。
アメリカなど、食事に脂肪が多いことが問題になっている国では、表示の義務付けや規制が始まっていますが、日本ではまだガイドラインがあるだけで義務はありません。
では、何故日本では義務づけられていないのでしょう?
それは、日本国民のトランス脂肪酸摂取量は、WHOが推奨する総エネルギー比1%未満を下回っており、通常の食生活では健康への影響は小さいという、食品安全委員会の見解に基づいているという理由をあげています。
しかし、消費者の厳しい目が段々と広がりつつあります。
消費者もテレビやネットなどから個々が情報を得る現代では、食品安全委員会の見解だけでは納得しなくなってくるのではないでしょうか。
トランス脂肪酸の悪者ぶりがテレビの情報番組などで広まったことで、油脂メーカーや製パン会社では、進んで商品中のトランス脂肪酸を減らして情報を公開するようになってきているのが現状です。
私達消費者も、そういった動きがあれば、ある程度は安心して購入する事が出来ますね。
パン屋のパンにトランス脂肪酸が使われている可能性は?
もしかしたら毎日、朝昼と口にするこのパンで知らず知らず害のある量をとってしまっているのかも・・・と、トングを手に、迷ってしまうかもしれません。
トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングに入っていることが多く、もちろんそれらを使って作られたパンやドーナツなどにも含まれます。
バターや牛乳などの乳製品にも、ごくわずかながら天然のトランス脂肪酸が含まれているので、どんなパン屋さんであってもトランス脂肪酸ゼロ!とうたうことは無理かもしれません。
ですが最近は、材料にこだわった小さなパン屋さんが町のあちこちに見られるようになり、そういうお店ではマーガリンやショートニング、業務用のクリームなどを使用していないところも多いので、安心してパンを選べそうです。
またマーガリンやショートニングでも、トランス脂肪酸を減らしたものやゼロのものもあるので、お店の人に「油脂はどんなものを使っていますか?」と聞いてみるのもいいでしょう。
こだわっているパン屋さんほど、きちんと答えてくれるはずですよ。
それでも気になるようであれば、油脂の多いパンや揚げ物を避けるといいかもしれません。
デニッシュやクロワッサン、ドーナツの代わりに、フランスパンなどハード系の食事パンをメインに選べば、トランス脂肪酸の値は確実に下がります。
スーパーやコンビニのパンは安心?
大手製パン会社やコンビニの自主ブランドでは、トランス脂肪酸を減らす取り組みをホームページに載せているところも増えてきました。
成分表をチェックすることができれば、いつも買っているパンに含まれるトランス脂肪酸の量がわかります。
WHO(世界保健機関)は今年、2023年までに人工のトランス脂肪酸をゼロにする計画を発表しました。
世界的な流れに押されて、これからは日本でも表示義務や規制が始まることになるかもしれません。
ニュースや情報番組でトランス脂肪酸が取り上げられることがまた増えれば、それだけでもメーカーは対応を迫られるでしょう。
すでにマーガリンは、トランス脂肪酸の害があるものとしてやり玉に挙げられ、消費が落ちてしまっていますので、マーガリン製造会社の中にはこのWHOのニュースの先手を打って、トランス脂肪酸を含まない商品をアピールしているところもあります。
トランス脂肪酸というとマーガリンのイメージが強いですからね。
そこで、マーガリンの製造会社も手を打ってくれるというのはありがたい話ではありますが、マーガリンそのものより、お菓子や油脂を多く含む食品などからトランス脂肪酸を多く摂ってしまっている部分は大きいといえますね。
マーガリンだけにこだわらず、お菓子や油脂を多く含む食品の食べ過ぎに注意する方がよっぽど安全とも言えますね。
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